不倫相手との間にできた3人の子供を、突然おしつけられた印刷屋の主人。しかし、彼の妻は隠し子にヒステリーを起こして虐待をはじめ、次男は事故死してしまう。やがて主人は妻にそそのかされるまま、長女を東京タワーに捨て、長男を殺害しようと企てる…。 原作は松本清張の同名小説である。松本作品の映像化に定評のある野村芳太郎監督の、ヒューマンサスペンス映画の秀作である。人間のもろさや残酷さをあらわにしながらも、親と子の絆と情の深さを叙情的に捉えている。タイトルの言葉から受けるような嫌悪感は、本作ではまったく感じられない。 小心者の主人を好演した緒形拳は、本作でキネマ旬報主演男優賞を受賞した。悪鬼のような妻に扮する岩下志麻も熱演で、撮影中、子役たちは彼女の前に近づくと反射的に泣きだすほどだったそうだ。(的田也寸志)
恐怖の虐待映画
原作は昭和32年に事実をもとに書かれたそうだが、21世紀に入って子供への虐待はさらにエスカレートしている。清張が生きていたら別の虐待小説が生まれていたかも…… 愛人が生んだ息子は父を慕い、彼を庇う。父は弱く、不況に負け、妻に負け正気を失う。 自分の腹を痛めて生んだのではない、夫の裏切りから生まれた子供たち一妻は執拗に虐待を……その命を…… 清張映画屈指の傑作。
大好きな映画
底なしに暗く救いようのない物語です。女優たちが恐すぎ。映画の内容もいいですが映し出される映像がたまらなく好きです。昔の川越?でしょうか 、私は埼玉人でもない30代なんですが町の雰囲気がむっしょーに郷愁を誘い泣けてきます。印刷工場での岩下志麻の二の腕や油っぽい汗の感じもたまりません。大竹しのぶもいいです。長男役の子、今はどうしてるんでしょうかねぇ
迫力ある映画だった
鬼気迫る岩下志麻さんが怖すぎる!!子供に粉セッケンをぶっかけたり、 飯を口に突っ込んだり、迫力だ!! 緒形拳さんの揺れる心。戸惑う気持。 追い詰められる心情が伝わってくる。 リアルな夫婦像、虐待される子供。 断ち切れない不幸の連鎖・・。 毒を飲まされ、崖から落とされても 「父ちゃんじゃない」と言う子供に涙した。 子は親を選べない。どんな親でも親は親。 あの子は一生、十字架を背負ってしまうのか。 一番始末に追えない鬼畜は父だと思う。 なんともいえない後味の映画だった。
見てはならないものを見てしまった
確か小学4年生か5年生のとき、月曜ロードショーで部分的に見ました。長女が東京タワーに置き去りにされるあたりから長男が海に捨てられるところまで見た記憶があります。 とにかく強烈な印象を受けました。主演の男優さんが(当時はもちろん名前も知りませんでした)なんだか気持ちの悪いニヤニヤ笑いをしていたかと思うと突然怒鳴ったり、あげくは泣きべそをかきだしたりー。 子供心にもなんか、すごく見てはいけないものを見たような気にさせられました。 それまで自分にとって映画というのは、ただただ楽しくて面白いだけのものだったのですが、その概念をすっかり覆されてしまった作品です。 今見直してもやはり緒方さんの演技はすごいと思うし、それに私自身子供たちが可愛いと心から思える年代になってきただけに、捨てる方と捨てられる方両方の痛みがわかって、切ないです。いやはや、日本映画はやっぱりすごい。 小川真由美さんが緒方さんと岩下さんの家に泊まり込んで、夜中についにキレる場面で、3人全部をミドルで捉えたショットー、監督、カメラマン、女優まで“八つ墓村”のメンバーなのでもう怖いの何のってー。
誰が鬼畜?
〜小学生の頃に民放の映画番組で初めて観た時の印象はカメラ視覚的に粉臭く、音楽は切なく、内容は胸が締め付けられる感じでした。僕は3人兄弟なので、映画同様、兄弟だけの時の絆や安堵感(とくに遊んでいる時)は共感するものがありました。それが、ひとりひとりいなくなってしまう・・。しかも親の都合で。自分に照らし合わせて、すごい不安な気持ちにもなり〜〜ました。ボンクラ亭主の緒形拳、本妻の岩下志麻、冒頭で子供を連れて来た愛人の小川真由美。誰が一番の鬼畜なのか?現在僕は6歳と2歳の子供を持つ父親になりました。たまに想像してみます。この映画の主人と同じ行動をとれるのか。想像した後は我が子をしっかり抱きしめています。〜
松竹ホームビデオ
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